
台東区役所で職員研修を実施しました。テーマは「NPO等と区役所との協働研修」です。

台東区の協働研修の講師を二年前から務めています。昨年と一昨年は午前半日の研修でしたが、今回は1日研修。グループワークを中心に進めました。
午前の部、最初の1時間は「協働」に関するレクチャーをしました。まずは協働の定義を解説。「協働」は元々の日本語にない造語で、英語の「Coproduction」の訳語に「協働」が使われました。その後、自治体で「協働」が広がる過程で「Partnership」の意味で使われることが多くなり、使う人によって「協働」の意味合いが異なることがあります。

協働の定義に「パートナーシップ=対等」を盛り込んでいる自治体や団体があります。しかし、自治体と住民の協働で対等に行うのは難しいと感じます。自治体は予算と許認可権を有し、情報を多く持っており、住民よりも優位な立場になりやすいからです。

この点を踏まえた上で、区民が協働しやすくなるための制度や仕組みが必要とされます。同時に、協働の仕事をする職員には区民側におりていく意識が求められます。
ここで、協働を促す制度・仕組みとして逗子市の事例を紹介しました。

私が四年間務めた「市民協働コーディネーター」は、市民協働のまちづくりを実現する施策の一つ。通常は中間支援組織が担っている役割を、民間人を職員として雇用し内部化した形であり、全国でも珍しいケースです。

私が市民協働コーディネーターとして意識した役割は三つです。一つ目が「行政と市民のつなぎ役」。二つ目が「逗子で活動したい個人・団体の伴走者」です。最初は「支援」と言っていたのですが支援する側・される側の上下関係を感じた為、一緒に走って汗をかく「伴走」を使うようになりました。
三つ目が「翻訳者」です。自治体職員が施策の説明をする際に専門用語が多くなり、正確性を重視するがゆえに網羅して話そうとするためポイントが分かりづらくなることがあります。そこで、施策の背景や意図について市民に分かりやすく伝える説明する役割を意識しました。
協働のパートナーとしてNPOが挙げられます。NPOについて解説した後、NPO法人ファザーリング・ジャパンの協働事例を紹介しました。ファザーリング・ジャパン(FJ)は、全国各地の都道府県・市町村と父親育児支援事業を展開しています。

私自身は「パパスクール」の名称で、父親向け子育て連続講座を横浜市や東京都などの自治体と協働で実施しました。参加者同士をパパ友ネットワークとしてつなげ、地域活動する父親=イキメンになる支援をしました。

FJが自治体から求められた背景があります。2010年に厚生労働省がイクメンプロジェクトを始動し、自治体でも父親を対象にした施策を行う必要に迫られました。しかし、従来の子育て支援は「母子保健」で行われており、父親の育児に関するノウハウがありません。
そこで、各地で父親支援の実績があるNPOと手を組むことで、自治体単独では実現できなかった施策が実現できます。ファザーリング・ジャパンとしても独自の広報ではコンタクトできる層が限定されるなかで、自治体と組むことで一般の父親たちにもリーチできるメリットが大きかったです。

午前の残り1時間はグループワークを行いました。今回の研修の前に職員が区内の複数のNPO団体を視察しており、視察して感じたことの振り返りをワールドカフェを行いました。

ワールドカフェは問いが肝ですが、今回はシンプルに「視察先で考えたこと、感じたこと」としました。グループのメンバーを替えながら3ラウンド実施し、参加者みなさんの対話が深まっていました。ここまでが午前の部です。

午後は、ワールドカフェのふりかえりをグループ内で行いました。

「協働はそもそも必要ですか?」と問いかけました。個人的な感想ですが、もしかしたら協働しなくて済む方が不平不満やストレスがなく、ハッピーなのかもしれません。ただ、行政は万能ではなく、地域課題が複雑・個別・高度化するなかで協働しなければ解決できません。

つづいて、職員が個人的な活動として地域活動するメリットをお伝えし、地域活動のススメをしました。ワークとライフ、ソーシャルは好循環を起こします。

午後のメインはグループワークです。フーチャーセッションとして、寸劇ワークを行いました。自作自演のシナリオをグループのメンバーで考えて作成し、3分間の上演をしていただきました。
今回のお題は「2025年、NPOと協働を実現!」。近未来に自治体とNPOが協働しているシーンを寸劇で表現していただきます。

5名ずつ7組が発表し、とても盛り上がりました。寸劇上演の様子は写真に撮らなかったのですが、みなさんがとてもいきいきと演じていらっしゃいました。
それぞれ知恵とアイデアが詰まったシナリオを考えてくださり、皆さんの演技もノッテいました。外国人や視覚障害の支援団体など視察先で学んだことを寸劇に盛り込んだグループが多く、いずれもリアルな設定で、協働が実現できる姿が見える内容でした。
私から講評で「自分たちが想像できている未来は必ず実現できます!」と伝え、ウォルト・ディズニーの名言 ’If you can dream it, you can do it.’ をお贈りして研修を締めくくりました。
ちなみに、研修日は11月22日で「いい夫婦の日」です。台東区で研修するときのいつものネタを披露しました。
台東区の夫婦は対等!

いつものように滑りました。








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